プロ直伝! マイナス5歳のドライヤー術。
「白髪が目立つ」「ツヤがなくなりパサついてきた」「分け目が広がってきた」など、20代の頃には無縁だった悩みが増えてきたら、髪のエイジング=「老け髪」の注意信号。スキンケアには気を使ってもヘアケアには無頓着だったという方は多いのではないでしょうか。毎日のドライヤーを見直すことから美髪を目指しましょう!
やってはいけない自己流ドライヤー
ドライヤーについて、こんな間違いや勘違いをしていませんか? 以下の思い込みはすべてNGです!
「自然乾燥のほうが髪に良さそう」
最も大きな誤解がこちら。自然乾燥には良いことはありません。 毛髪の表面をうろこ状に覆うキューティクルは、髪を外部刺激から守る役目と、内側に水分をとじこめる役目を果たしています。ツヤ髪作りに欠かせないキューティクルですが、水に濡れるとうろこが開いてはがれ落ちやすくなるのが弱点。だから、濡れた髪のままブラッシングしたり、眠ってしまったりすると、摩擦で髪が傷んでしまうのです。また、頭皮や髪が濡れていると根元が蒸れ、雑菌が繁殖して、フケやかゆみ、匂いの原因にも。 「乾燥はスピーディに」が大鉄則です!
「熱はダメージになるから冷風でドライ」
大抵のドライヤーには冷風機能がついていますが、冷風だけで乾かそうとすると時間が長くかかってしまいます。また、頭皮や髪表面の水分をしっかり蒸発することができず、フケやかゆみ、匂いを引き起こすことも。
「髪にダメージを与え始める温度は160℃以上」とも言われますが、髪に直接触れて熱を伝えるコテやヘアアイロンとは異なり、ドライヤーは温風で乾かすので熱の影響をそこまで気にすることはありません。ドライヤー中に髪や頭皮が熱いと感じたときのクールダウンや、カールやクセづけには効果的ですが、冷風だけで乾かすのはお勧めしません。
「ドライヤー前にタオルでゴシゴシ」
タオルドライは正解ですが、「ゴシゴシ」はNGです。まずタオルを頭の上にのせて、タオル越しに指の腹で頭皮をマッサージするようにして、頭皮に残った水分を吸い込ませていきます。毛先は、タオルで包んで優しく「ポンポン」と叩く程度。しっかりタオルドライをしておくとドライヤーの時短につながります。
「半乾き状態にして後はコテの熱で乾かす」
厳禁です!
髪に水分が残ってキューティクルが開いているときに、直接高熱をあててしまうと髪の毛が傷む原因になります。コテやヘアアイロンは髪の毛を乾かす道具ではなく「髪にクセや動きをつける道具」。以下を必ず守って使いましょう。
【ドライヤーの鉄則】
●髪が濡れている状態では使わない!
●160℃までを目安に、高すぎる温度では使わない!
知ってるようで知らないドライヤーの基本
では正しいドライヤーの使い方って? 基本的な順番は以下の通りです。
1. 濡れた髪を手で優しく絞って水滴を落とす。
2. 髪や頭皮を押さえるようにして優しくタオルドライ。
3. アウトバストリートメントを使うのはこのタイミング。
4. 髪から10cm以上離したところからドライヤーをあてる。
5. 前髪→根元(頭皮)→毛先の順番に。
6. 根元が濡れているうちは分け目をつけずに素早く乾かす。
7. 根元が乾いたら仕上げのスタイルに近づけていく。
8. 全体が完全に乾いたら冷風でツヤ感アップ。
誰かに教わることが少ないドライヤーは、意外と誤解していることも多いもの。ご自身のドライヤーの掛け方を一度見直してみてはいかがでしょう。
プロが教えるドライヤーテクニック
毎日のドライヤーに、手軽に取り入れられる美髪づくりのコツをご紹介します。
ツヤを出したい
根元から毛先に向いて重なっているキューティクルをはがさないように、頭頂部から毛先に向かってドライヤーをかけましょう。速く乾かそうとして下から上に向けて風をあてがちですが、髪が傷んだり毛先がパサついたりする原因になりますので気をつけて。
熱による傷みを抑えたい
ドライヤーの基本は「風で乾かす」こと。髪の毛から10cm以上離れたところから風をあてましょう。毛先ばかりを乾かすのではなく、根元に風をあてるようにすると髪の毛が傷みにくいです。
ボリュームを出したい
仕上がりの方向と反対側から風をあてて乾かしてから整えると、髪の根元が自然に立ち上がり、ふわっとしたスタイルになります。最初に分け目をつけず、ある程度髪の毛が乾いてから分けるようにすると、自然なボリュームを出すことができます。
多くの美容師さんは髪の毛を乾かすときに、家に帰ったあとのスタイリングのコツを教えてくれます。わからないことはぜひ質問してみましょう!
プロが教えるドライヤー選びのコツ
「大風量」「マイナスイオン」「ナノイオン」「バイオプログラミング」など、さまざまな特長があるドライヤー。新たに買い換えようと思っても、どれを選んでいいかわかりませんよね。ドライヤーを選ぶときに注目すべき3つのポイントをご紹介します。
風量
ドライヤーの第一の目的は「髪の毛をスピーディに乾かす」こと。そのためには美容業界では風量1.3㎥/分以上のドライヤーが理想的とされています。最近では速乾をうたった2.4㎥/分もの大風量ドライヤーも登場しています。
風量とワット数はイコールではありませんが、消費電力1200wのドライヤーを選べば十分でしょう。
ヘアケア機能
「熱と風で髪の毛を乾かす」機能に加えて、マイナスイオンなどの力で髪のコンディションを整える付加機能を持ったドライヤーも出ています。髪をまとまりやすくして、ツヤを出す効果があります。長時間ドライヤーをかけるロングヘアの方には特に向いています。
重さ・使いやすさ
長時間片手で持ち上げるので重いと腕が疲れます。毎日使うものなので「使っていてストレスが無い」ことも重要です。また、コードが短いと動きにくかったり、長すぎると邪魔になったりもします。
どのポイントを優先して選ぶのが良いかは、髪の長さや多さ、髪質、なりたいスタイルとも関わってきます。ヘアケアのプロであり、お客様の髪質を把握している担当美容師さんにお勧めのドライヤーを聞いてみる、というのも近道かもしれません。
アウトバストリートメントのススメ
そしてドライヤーと相性が良いのが、洗い流さないタイプの「アウトバストリートメント」。ヘアパックなどのようにお風呂の中で使って洗い流すタイプ(インバストリートメント)に対して、お風呂の外(アウトバス)でタオルドライをした髪や乾いた髪に付けて使います。クリームやオイル、ミスト、ムースなど、目的や使用感の好みなどによってさまざまなタイプから選ぶことができます。ドライヤー前に付けることで、髪をまとまりやすくし、タンパク質を補給して傷んだ部分を補修する効果を期待することができます。
正しいドライヤーのかけ方とアウトバストリートメントの相乗効果で、マイナス5歳のツヤ髪を目指しましょう!